アレルギー性結膜炎
⚠ 強いかゆみが代表的な症状です。目をこすらず、原因物質をできるだけ避けることが基本です。
■ アレルギー性結膜炎とは
花粉やハウスダストなど、本来は大きな害のない物質に免疫が過敏に反応し、白目とまぶたの裏側を覆う「結膜」に炎症が起こる病気です。強いかゆみが代表的な症状です。
図1 かゆみ・充血・腫れ
■ どのような病気ですか?
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が目の表面に付着すると、免疫に関わる細胞からヒスタミンなどが放出されます。その働きによって、結膜の血管が広がり、かゆみ、充血、涙、まぶたの腫れなどが起こります。
スギやヒノキなどの花粉が飛ぶ時期に症状が出る「季節性」と、ダニやハウスダストなどによって一年を通して症状が起こる「通年性」があります。アレルギー性結膜炎そのものは人から人へうつる病気ではありません。
■ 主な症状
- 目がかゆい
- 白目が赤い、まぶたの裏側が赤い
- 涙が出る、目がゴロゴロする
- 透明または白っぽい、糸を引くような目やにが出る
- まぶたや白目が腫れる
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状を伴う
「かゆみ」が大きな手がかりです。アレルギー性結膜炎では両眼にかゆみが出ることが多く、涙や透明な目やにを伴います。ただし、症状だけで感染性結膜炎などと完全に見分けることはできません。
■ 原因になりやすいもの
原因は季節や生活環境によって異なります。症状が出る時期や場所を振り返ることが、原因を考える手がかりになります。
- 季節性:スギ、ヒノキ、イネ科植物、ブタクサなどの花粉
- 通年性:ダニ、ハウスダスト、カビ、動物の毛やふけなど
- コンタクトレンズの汚れや機械的な刺激が関係することもあります
■ どのような検査を行いますか?
症状が出る季節、生活環境、鼻炎やアトピー性皮膚炎の有無などを確認し、細隙灯顕微鏡で結膜や角膜を観察します。必要に応じて採血によるアレルゲン検査を行うことがあります。
- 視力検査:角膜への影響や、別の病気が隠れていないかを確認します。
- 細隙灯顕微鏡検査:充血、結膜の腫れ、まぶたの裏側の変化、角膜の傷などを詳しく観察します。
- 血液検査:必要な場合にアレルギーの原因候補を確認します。
感染性結膜炎との区別が大切です。ウイルス性・細菌性結膜炎でも充血や目やにが出ます。粘りの強い黄緑色の目やに、片眼から急に始まった強い充血、周囲での流行などがある場合は、自己判断せず眼科を受診してください。
■ 治療について
治療の基本は、原因となる物質をできるだけ避けることと、抗アレルギー点眼薬によって症状を抑えることです。症状の程度や角膜への影響に応じて治療を調整します。
主な点眼治療
- 抗アレルギー点眼薬:ヒスタミンの働きやアレルギー反応を抑えます。花粉症では、症状が出る前または出始めの時期から継続すると症状を抑えやすいことがあります。
- 抗アレルギー軟膏:寝る前に1回、目の周りに軟膏を塗ります。皮膚を通して結膜に作用して長時間アレルギー反応を抑えます。点眼が苦手なお子さん、首に異常があり上を向けないご高齢の方、視力が悪く点眼することが難しい方に適しています。
- ステロイド点眼薬:炎症が強い場合に使用することがあります。眼圧上昇、白内障、感染症の悪化などを起こすことがあるため、眼科で定期的に診察を受けながら使用します。
- 免疫抑制点眼薬:春季カタルなど重症のアレルギー性結膜疾患で使用することがあります。
点眼薬は自己判断で増減しないでください。処方された回数と期間を守り、容器の先端がまつげや眼球に触れないように点眼します。ステロイド点眼薬や以前の残り薬を自己判断で使用しないでください。
■ 日常生活でできる対策
- 目をこすらない:こすると炎症や角膜の傷が悪化することがあります。
- 帰宅後は手洗い・洗顔を行い、まぶたやまつげに付いた花粉をやさしく洗い流します。
- 花粉の時期は防御用メガネを使用し、花粉情報を参考に窓の開閉や外出時間を工夫します。
- 寝具をこまめに洗い、室内の掃除や換気を行ってダニ・ハウスダストを減らします。
- 清潔な冷たいタオルなどでまぶたを軽く冷やすと、かゆみが和らぐことがあります。
- 症状が強いときはコンタクトレンズの使用を休み、眼鏡に替えてください。再開時期は眼科で確認します。
図2 対策の例:防御メガネ/洗顔/寝具の清掃/冷却/正しい点眼/目をこすらない
■ 重症のアレルギー性結膜疾患
春季カタルやアトピー性角結膜炎では、まぶたの裏側に大きな隆起ができたり、角膜に傷や潰瘍が生じたりすることがあります。特に、強いまぶしさ、目の痛み、視力低下がある場合は早めの治療が必要です。
■ 早めに受診したほうがよい症状
- 目の痛み、強いまぶしさ、視力低下がある
- 片眼だけが急に強く赤くなった、まぶたが大きく腫れた
- 黄緑色で粘りの強い目やにが多い
- コンタクトレンズ使用中に充血や痛みが出た
- 市販薬を使用しても改善しない、症状を何度も繰り返す
目のかゆみや充血が続く場合は、アレルギー以外の病気がないか、角膜に傷がないかを確認することが大切です。症状や生活環境に合った点眼薬と対策を相談してください。
本ページの内容は医療情報の提供を目的としたものです。
診断・治療については必ず担当医にご相談ください。